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2010 年度 実績報告書

構造推定による入札制度モデルの定量分析

研究課題

研究課題/領域番号 22530204
研究機関北海道大学

研究代表者

高木 真吾  北海道大学, 大学院・経済学研究科, 准教授 (10326283)

キーワード政策効果 / 入札・オークション / 構造推定 / 電力自由化
研究概要

本研究では,入札データを用いて,入札参加者の行動を分析し,入札制度の利用による社会厚生への影響を定量的に分析することを目的としている.今年度実施した実証研究は,電力の小売市場における入札制度導入による落札価格に対する影響の計測,および入札参加者・需要家の構成水準に対する影響の計測を行った."Retail Power Market Competition with Endogenous Entry Decision-An Auction Data Analysis"(共著,該当論文は現在投稿中)では落札価格への影響を処置効果計測の枠組みで,複数応札があった条件下で,それがなかった場合の価格と実際にあった場合の価格の差として計測した.分析上の特徴としては,価格決定の重要な影響を持つ負荷率という要因が非線形的に価格などに影響を与えることを柔軟にとらえるためのセミパラメトリックなスイッチング回帰モデルを用いた分析を行った.結果として,新規参入者と既存電力会社が競合する案件での価格下落効果は0.5円/kWh程度であった.ただし,この分析枠組みでは,これまでの自由化に関する実績を評価することはできるが,仮想的な政策が実施された条件下での政策シミュレーションには適用が困難である.そこで入札参加者の行動を明示的に扱った「電力小売市場の入札モデルに関する構造推定」(共著)を作成し,競争促進的政策の効果計測を行った.分析結果は,新規参入者を増加させる効果を期待する優遇率の導入は既存業者から新規参入者ヘレントを移転すると同時に需要家へも利益をもたらす可能性がある.興味深いのは,入札参加者が非常に少なく競争圧力が弱い場合,優遇率のような競争促進政策が一定範囲で消費者余剰を高めつつ,配分上の非効率を改善する可能性が示唆される点である.該当論文は大阪府立大学のセミナーで報告し,今後も学会報告などで成果を公表していく.

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公開日: 2012-07-19  

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