• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2012 年度 実績報告書

構造推定による入札制度モデルの定量分析

研究課題

研究課題/領域番号 22530204
研究機関北海道大学

研究代表者

高木 真吾  北海道大学, 大学院公共政策学連携研究部, 准教授 (10326283)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワード構造推定 / 入札制度 / 電気事業 / 競争促進措置 / 非対称情報
研究概要

本研究課題の主要な成果として,論文「小売電力市場の非対称入札モデルに関する構造推定」を作成した.この論文では,(1)費用と情報構造の両方の点で非対称な入札者(一般電気事業者と特定規模電気事業者)が存在する理論的な入札モデルを提示し,(2)この非対称入札モデルを規定する構造パラメータを推定する間接推定法(indirect inference method)に基づいた計量経済学的方法を考案し,(3)官公庁を中心とする電力調達に係る入札データを用いて,自由化された電力小売市場に関する実証研究を行った.構造推定を行うことの大きな特徴は,推定結果に基づく仮想的な政策シミュレーションを実施可能な点に有り,本研究でも我々の構造推定の結果を,電力小売市場におけるさらなる競争促進措置(具体的には,参入者の増加や託送料金の割引等を通じた特定規模電気事業者への優遇処置)の実施が,市場参加者の厚生水準へのどのような影響を与えるかについて考察を行った.分析の結果,競争促進措置そのものが直接的に特的規模電気事業者の入札参加率を引き上げる効果は小さいものの,一般電気事業者への効率化圧力としては機能する可能性があることが示された.その結果,入札案件消費者余剰などの厚生水準の引き上げ(平均的な電気料金の消費者負担の引き下げ)られることに加え,入札時に生じうる,高費用応札者が落札してしまうという意味での非効率配分確率を減少させる可能性もある.今後,さらに小売市場の自由化範囲が拡大されていく上で競争圧力の維持のための政策が重要であることを強く示唆するものである.
この研究成果は,計9回の学会および国内大学研究会・ワークショップで報告された.報告時に他研究者から寄せられた意見を参考に最終稿を作成し,学術雑誌への投稿を準備している.

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件)

  • [雑誌論文] Retail power market competition with endogenous entry decision―An auction data analysis2012

    • 著者名/発表者名
      Nobuhiro Hosoe and Shingo Takagi
    • 雑誌名

      Journal of the Japanese and International Economies

      巻: 26(3) ページ: 351 - 368

    • DOI

      10.1016/j.jjie.2012.05.002

    • 査読あり

URL: 

公開日: 2014-07-24  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi