研究課題/領域番号 |
22530210
|
研究機関 | 名古屋市立大学 |
研究代表者 |
程島 次郎 名古屋市立大学, 大学院・経済学研究科, 教授 (30181514)
|
キーワード | 経済統計学 / bootstrap / 条件付分散 / 漸近分散の推定 / 統計的推測 |
研究概要 |
研究発表に挙げた雑誌論文掲載の2つの論文"On the properties of the likelihood function of Spanos' conditional t heteroskedastic model"と"The effect of estimation of unknown degrees of freedom on estimation of remaining parameters in Spanos' conditional t heteroskedastic model"は、以前からいくつかの専門雑誌に投稿していたが、ようやく掲載が受理された論文である。この2つの論文は、contemporaneou s heteroskedasticityとtemporal heteroskedasticityの両方を考慮する研究と関連し、contemporaneousheteroskedasticityを考慮するモデルに関する統計的推測に関する成果である。これまでcontemporaneous heteroskedasticityを考慮するモデル(Spanos' conditional t heteroskedastic model)は、20年近く前に出版されてきたが、その尤度関数に関する特性やt分布の自由度の推定についての研究があまり行われていなかったが、この2つの論文でこのモデルの特性が明らかになった。現在その続きの論文の執筆をしている。 研究発表の図書に挙げた「CAPMとマルチファクターモデルとポートフォリオ」は、資産価格モデルに関する解説であるが、私の研究と関連するテーマなので、研究の整理に役立つ。 現在研究成果になっていないが、確率的回帰モデルの説明変数が与えられていない場合に、回帰パラメータの推定量の漸近共分散行列の推定と関連した資産価格モデルに関する共同研究を行っており、来年度の成果として発表できると思う。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
1.確率的回帰モデルの説明変数が与えられていない場合に、回帰パラメータの推定量の漸近共分散行列の推定と関連したbootstrapの利用についての基礎研究で遅れが出ている。 2.Contemporaneous heteroskedasticityとtemporal heteroskedasticityを考慮するモデルについては、モデル化は出来たが実際の推定の作業を現在行っていてまだ結果が出ていない。
|
今後の研究の推進方策 |
1.確率的回帰モデルの説明変数が与えられていない場合に、回帰パラメータの推定量の漸近共分散行列の推定と関連したbootstrapの利用と関連した研究では、パネルデータのモデルでのHAC(heteroskedasticity and autocorrelation)がある場合でのbootstrapの研究があるので、それらの研究を学習して、私の研究でheteroskedasticityがある場合およびHACがある場合に応用できるか否かを研究し、資産価格モデルで実証できないか検討する。 2.Contemporaneous heteroskedasticityとtemporal heteroskedasticityを考慮するモデルについては、実際の推定の作業を行い結果を出し、条件付モデルと無条件モデルとの比較、予測への応用などを行う。
|