研究課題/領域番号 |
22530211
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
細谷 雄三 明星大学, 経済学部, 教授 (40004197)
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キーワード | 非線形変形 / 経済時系列 / 周波数表現 / 因果性測度 / スペクトル正準分解 / 統計的漸近理論 |
研究概要 |
22-25年度にわたる本研究は時系列解析の統計的手法の開発を目的とするものであり、具体的には、(1)有理関数スペクトル密度行列正準分解法にHosoya-Takimoto(2010)論文が提案した逐次法を取り入れ、偏因果諸測度の数値的評価の精度を向上させる。(2)非線形変換モデル推測法を時系列因果分析に導入し、非ガウス過程予測=因果分析の分析に資する。(3)因果測度の推定・検定を実経済データの経験分析に応用する。非線形変換定常過程の漸近的推測理論を経験分析に適用する。 これまでの因果測度の構成は、将来値の線形予測を基本としているが、対象としている時系列が非ガウス過程であるときには、平均二乗誤差基準において、これは必ずしも最適ではない。非ガウス過程では、条件付期待値は線形関数とは一般にならないし、条件付期待値が観測値の陽表的な関数として得られることは時系列モデルでは例外的である。とくに、平成23年度の研究においては、非ガウス時系列において因果測度周波数領域分解を線形予測理論と平行して考察するために、Hosoya-Terasaka(2009)論文で提案したデータの非線形変換によりガウス近似を改善し、変換後変数の線形予測に対して因果分析を適用する接近法を考察した。この接近法では、これまで本研究者が開発した因果分析法を取り入れて、非ガウス過程の因果分析が実行可能となる。この方向での理論面での展開を追求すると同時に、広くマクロ・金融変数間の因果性、予測性に関する関連文献を広く渉猟して、先行研究で得られた知見を整理し、次年度以降の研究へ向けて準備を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
23年度を含むこれまでの2年間は、本研究に関連する分野の理論的成果と経験分析の先行研究の調査および本研究者のこれまでの研究成果との比較研究が主たる作業となっている。これらは、一応順調に進行している。
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今後の研究の推進方策 |
非線形変換を線形時系列モデルに導入して因果測度を計測する問題は、漸近理論的には、おおむね解決しているが、数値計算において、まだ収束が非常に遅いなどの問題が鮮明となっていて、この点の困難をいかに解決するが今後の最大の課題である。マクロ経済活動の予測量の経験分析のこれまでの諸研究における、本研究の位置づけ、および意義については、明確化することができた。
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