研究課題/領域番号 |
22530212
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研究機関 | 中京大学 |
研究代表者 |
山田 光男 中京大学, 経済学部, 教授 (00126913)
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研究分担者 |
木下 宗七 中京大学, 経済研究所, 研究員 (70022457)
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キーワード | 中国経済 / 日中貿易 / 産業連関 / 直接投資 / 経済統計 / 計量分析 / 中国 / 国際研究者交流 |
研究概要 |
世界第二の経済大国中国にとって経済発展と地球環境目標の達成は焦眉の課題である。この研究では日系企業の直接投資や現地生産が、この目標にどう関わっていくのか、日本経済にどのような影響をもたらすか、実証的に検証する。特に、我が国企業の中国への進出は電気機械、輸送機械分門を中心とし、現地企業とは競争的かつ協調的関係と多様化している。直接投資のミクロ統計を活用し日中産業連関分析の枠組みで、直接投資、技術移転などを通じた日中国際分業体制の変化とその要因分析を行うことを狙っている。 今年度は第1に、すでに開発した日中韓多部門計量モデルを用いて、日本から中国に電気機械部門の企業が省エネ投資を伴った生産シフトを大行った場合の各国産業に与える影響についてシミュレーション分析を行った。第2は、日系企業の中国進出について2つの分析を行った。ひとつは2007年中国産業連関表を用いて、日系企業の中国での生産活動の中国経済に与える影響分析を行うこと。もうひとつは、愛知県企業の中国、アジア、米国への進出パターンの比較分析を行ったことである。第3は、改革開放以来今日まで、高度成長を続ける中国とバブル崩壊以降低成長と長期的なデフレーションで低迷する日本の貿易依存度と貿易構造の変化について検討し、円高を背景として直接投資が進み、産業内分業構造が進化していることを示した。これらの研究は、「日中経済発展の計量分析」(勁草書房)においてとりまとめた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
2007年日中国際産業連関表が公表されたことにより、我が国企業の海外生産にかかるミクロ統計と国際産業連関分析とを結びつける研究が実施可能となった。次年度にはこの報告を行うことにしている。
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今後の研究の推進方策 |
中国における直接投資の地域分布は東部沿海地域に偏在している。このため、中国地域間産業連関表の活用が重要となるが、現在利用可能な最新の地域間産業連関表は2000年表である。そこで、簡便な方法であってもできるだけ新しい中国地域間産業連関表を作成し、そのもとで現地生産の地域偏在を考慮した分析を次年度に並行して行う予定でいる。
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