本研究では、文化的財の保護政策のあり方ついて、文化的財の市場の特性を明確に示しながら最適な保護政策について考察した。文化の多様性を維持するため、もし政策が必要ならどのような条件の下で採用されるべきか分析するため、より一般的な仮定の下で習慣形成(消費の外部性)を取り入れた一般均衡モデルを構築し、均衡の特性を分析すると同時に規範的に政策提言を行った。他方、これまで文化的財の貿易における知的財産(権)の戦略的役割が理論的に考察されてこなかったことから、意匠権に裏付けられる財産業を例として市場構造を概観し、新たな視点で両者の関係について分析した。
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