研究課題
本研究はロシア多国籍企業の形成とその経営戦略を分析することにより、現代ロシア企業の行動を明らかにするとともに、先進諸国・新興市場で国際比較をとおして最先端の多国籍企業論、移行企業論の発展に貢献することを目的としている。本年度は最終年度であることを意識して研究成果の公表を重視して研究を進めた。ロシア多国籍企業を総括した論文としてEmerging Multinationals in Russiaを執筆し、ロシア多国籍企業の経営戦略に経済制度の特性と政府の役割が強く作用していることを明らかにしている。本論文を韓国ソウル大学で行われたThe Pacific Rim Economies: Institions and Development(欧州比較経済学会アジアワークショップ)と日本比較経営学会全国大会で報告し、新興多国籍企業を2000年代の新しい多国籍化の挑戦・現象であり、新興国経済システムを特徴付けるものと結論付けた。また、本研究は、京都大学経済研究所での共同利用・共同研究プロジェクトに関連させて、新興市場企業の行動に関する研究と位置づけ、本研究はロシア企業の制度の誤用・腐食という新しい分析概念の導出に成功した。さらに、平成25年度には企業理論としてより一般化するために日本企業との国際比較研究を進め、経済制度、市場と企業の相関を明らかにした。本研究成果は、とくに企業の社会的責任がどのように制度化されるのかに着目して比較研究したものであり、欧文の著書の形で公表するとともに、ベトナムおよびフランスで開催された国際学会において研究報告を行った。本研究課題に関連して、企業のコーポレートガバナンス研究についての研究およびロシア市場における近代化政策の実施状況に関する実証研究も行い、いずれについても適時その研究成果を公表している。
25年度が最終年度であるため、記入しない。
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ロシアNIS調査月報
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