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平成24年度の研究活動では、まず、昨年度行った文献調査とウェブアンケート調査をもとに、わが国のブロードバンドISP市場のスイッチングコストの実証的推計を行い、現在の競争状況は新規利用者に対してはともかく既存利用者に恩恵を及ぼす水準には不十分であることを明らかにした。中間的な分析結果等に関しては、情報通信学会（6月、国際教養大学）、TPRC（9月、George Mason University）、および生活経済学会九州部会（10月、鹿児島大学）にて報告を行い、有識者からのフィードバックを得た。また、詳細な内容については国際学術誌での公刊をめざし原稿執筆・投稿を行った。このほかにも、前年度までの分析結果をEuropean Regional ITS Conference（7月、Vienna University of Economics and Business）および日本地域学会（10月、立正大学）で報告し、さらなる分析水準の高度化を図った。日本地域学会報告の成果については、ITSで刊行される叢書の一部として原稿を準備中である。加えて、研究期間を通じて得られたすべての研究成果を取りまとめるべく原稿執筆を行い、平成25年6月の著書出版を目指して作業を継続している。
あわせて、本研究課題の遂行を通じ、物理的設備の制約をほとんど受けることなしにインターネット上で全サービスを展開するOTT（Over-the-top）事業者がブロードバンドエコシステムを大きく変貌させつつあることが明らかとなったため、後続研究課題として予備的な文献調査などを実施した。（本件については、平成25年度に新たな科学研究費助成事業（基盤研究（C））として採択されている。）
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