研究課題/領域番号 |
22530237
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研究機関 | 東北工業大学 |
研究代表者 |
佐藤 飛鳥 東北工業大学, ライフデザイン学部, 講師 (90513060)
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研究分担者 |
渡部 順一 東北工業大学, ライフデザイン学部, 教授 (00342460)
阿部 敏哉 東北工業大学, ライフデザイン学部, 教授 (10231961)
穴澤 正宏 東北工業大学, 工学部, 准教授 (60337194)
沢田 康次 東北工業大学, 工学部, 教授/学長 (80028133)
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キーワード | 地域経済 / 企業生態学 / 中小製造業 |
研究概要 |
宮城県の地域製造業を緩やかな横連携を通して活性化するため、1)現場を見て、2)中小企業の発展・衰退を記述できる数理モデルの初期モデルを設定するため、平成22年度は、(1)基礎データ収集、(2)仙台地域の優良中小企業製造業を事前郵送質問紙とヒアリング調査により優良たるゆえんのポイントを洗い出す事例調査(企業間連携、教育連携、産業構造)、(3)数理モデルのベースを検討した。 (1)基礎データでは、宮城県の経済的概要と産業構造、県政方針である「富県宮城」とその具体的方策としての製造業の集積促進、みやぎ立地奨励金事業、自動車産業特別支援事業について理解を深めた。 (2)上記で活発に取引を開始した優良企業の共通点を列挙する。川上から川下まで一貫とした設計・製造体制を構築し、顧客ニーズにすばやくきめ細かく対応できる。積極的に改善ポイントを提案できる能力と体制を備えている。窓口は経営者や技術の分かる営業職で現場ですぐに打合せ出来るため顧客に必要とされる付加価値の高い製品を生み出し、顧客の製品を積極的に販売することで顧客との間に揺るぎがたい信頼関係を結ぶことにも成功している。大学や公設試と共同開発を進めたり職業訓練機関を活用したりし、視野が狭くなりがちな中小企業の欠点を補っている。国/地方公共団体との関係も良好で、マッチング支援事業や新規取引先への展示紹介展、研究会や講習会への積極的参加が見られる。様々な支援制度や補助制度を活用しながら自らの能力を高め、獲得した技術や能力によってより高度な支援・補助制度にチャレンジするポジティブ・フィードバックとなっている。経営者は立地地域出身者が多く、地域を何とかよくしたいと企業運営にあたり、地域人材の雇用、育成計画、そして福利厚生制度の充実を通して企業利益を還元している。そのため、健全な財務の確立を目指し、工場の拡張や設備の充実などについても慎重な計画が練られている。
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