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2011 年度 実績報告書

多国籍企業の労務管理戦略が、発展途上国の労働力形成に果たす役割

研究課題

研究課題/領域番号 22530238
研究機関青山学院大学

研究代表者

友原 章典  青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (80448810)

研究分担者 大野 昭彦  青山学院大学, 国際政治経済学部, 教授 (20176960)
キーワードいきがい / 贈与交換 / 労働意欲 / 公平 / 多国籍企業 / 海外直接投資 / 効率賃金 / 労務管理
研究概要

この研究は、反グローバリゼーション運動にかかる問題のうち、労働問題に焦点を絞り、多国籍企業による洗練された労務管理が、発展途上国における労働力の形成という正の役割を担っている可能性を検証しています。このため、企業の労務管理戦略と労働者の勤労意識に関する個票データを分析し、労働意欲などの向上を通じて生産性を改善する要素について考察しています。特に、この研究では、労働者の労働環境や職務意識など、伝統的な経済学ではあまり取り扱われてこなかった要因を、実証研究に積極的に取り入れて行っています。
研究二年目である本年度は、既存研究のサーベイに基づいて作成された労働者への聞き取り調査票を使用し、インド及びタイにおける製造業に従事する労働者から聞き取り調査を行いました。これまでのところ、これらのアンケートデータの整理・入力を行い、分析に必要なデータベースを構築しました。質問事項には、高い賃金を支払うことによって、労働者の勤労意欲を引き出そうという効率賃金のような金銭的誘因に基づく考え方以外にも、良好な職場環境や労働者間の公平性の確保や労働に係る生きがいなど、非金銭的誘因が労働意欲を改善するという社会的贈与交換にかかる仮説も含んでいます。まだ確定した分析結果ではないのですが、当該分析では、労働行為から得られる生きがいに影響を与える要因が、従来の幸福(しあわせ感)で議論されているような要因とは、少し異なる可能性が示されています。特に、金銭的なもの以外の要因が、かなり重要な役割を果たしているようです。現在、分析モデルの精緻化を行っているところですが、企業別(多国籍企業と国内企業)や国別に違いがあるかなども含め、引き続き分析をすすめる予定です。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

3: やや遅れている

理由

震災によるアンケート調査の見直しやデータ入力の遅れ。

今後の研究の推進方策

別のモデル体系による分析もあわせて行う。レフリーなどにより、共分散構造分析以外の方法論を用いて、議論の検証をすることを推奨されたため。

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公開日: 2013-06-26  

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