本研究の最終目標である医療サービスの生産性に関する定量分析に必要なデータが、特に地域保健医療計画実施後について出そろうのは、平成23年になる。そこで平成22年度は、コ・メディカルスタッフの業務拡充と生産性の変化、および、医療サービスの生産性分析に関する先行研究の文献研究を行った。次年度以降の実証分析で考慮すべき点、日本の結果と比較する基準として他国の制度のもとでの結果などについて詳細に準備するのが目的であった。具体的には、 1) コ・メディカルスタッフの業務範囲と医療サービスの生産性に関する実証研究の展望 2) 医療サービスの生産性分析に関する実証研究の展望 の2点について先行研究の展望を行った。 1) では主に米国での先行研究を中心に、コ・メディカルスタッフの業務範囲と医療サービス生産性の関係について先行研究の調査を行った。その結果、先行研究の推定結果を直ちに日本へ応用することは出来ないが、推定方法そのものは日本へもある程度応用可能であることがわかった。 2) では、医療サービスの生産性を測る際に用いられているアウトプット変数の中から、今回の研究で用いるのに適当なアウトプット変数を見つけ出すのが目的であった。 幾つか候補となる変数があるため、それらのアウトプット変数について推定を進める。
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