研究課題
人口移動の数理モデルは,距離特異性と時間遅れの効果を含むため,人口密度関数を直接計算するのは困難である.そのため人口移動の数理モデルには,旧来の数値解析的手法が全く使えず,長らくその研究は停滞していた.これに対して数理統計学的計算理論が進展し,人口密度関数の数理統計学的汎関数(人口密度関数のcapacityとentropy)を用いて数理医学エージェント・ベースド・モデルを評価するアルゴリズムが開発された.本研究ではこの最先端の計算技法を組み込んだ数値計算プログラムパッケージを数理経済地理モデルの人口密度と地域別実質賃金の計算に利用した.これによって,簡便かつ正確に人口密度と実質賃金の時間的空間的変化を追跡することができ,人口移動モデルに内生的経済成長モデルを様々な形で連立させても,迅速にそのモデルの挙動を追跡することができるようになった.また,構築したプロトタイプモデルがvon Thünen model,Dixit-Stiglitz model,Simon model等と整合性があるかどうかを数値実験により検証し,P. Krugmanにより指摘されている,自己組織化過程により大都市が中核に位置し,周辺に複数の衛星都市が生まれるEdge Cityの形成過程が,構築したプロトタイプモデルで正しく説明できるかどうかを検討した.さらに,構築したプロトタイプモデルの修正を繰り返し,最終的な数理モデルを決定した.完成した数理モデルにより,都市の誕生と都市の多階層構造の自己組織化,さらに中心都市の周辺に衛星都市が誕生するEdge Cityの形成過程を説明できた.
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013
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Nonlinear Analysis Series B: Real World Applications
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