研究課題
本研究では主に次の４つのテーマに焦点をあて、途上国における貧困問題への対策に取り組んだ。1) アフリカにおける高い成人死亡率(HIV/AIDS等による)の貧困に対する影響、2) マイクロ・ファイナンス(小規模ローン)の貧困削減効果、3) アフリカにおける「緑の革命(農業生産性の飛躍的向上)」の実現可能性、4) 国際援助によるインフラ整備事業の経済効果。以下、テーマ別に当該年度の研究成果の概要を記す。1)アフリカにおける孤児の就学問題は国際的にも大きな課題となっている。一方で、アフリカでは大家族制の下、孤児の就学がどのような要因で決定されているか未だ十分な理解が得られていない。そこで、理論・実証の両側面から孤児の就学メカニズムについて解明を進めた。2) マイクロ・ファイナンスは貧困削減に対し有効な施策として注目を集めている。しかし同時に多くの課題があることもわかってきている。今年度は、インド農村部で収集したデータを用い、マイクロ・ファイナンスが家計の脆弱性に対しどのような影響を与えているかについて分析を行った。結果、マイクロ・ファイナンスは家計内の稼ぎ手が亡くなるといったショックに対しては、そのショックを緩和する効果をもつ一方、疾病・疾患といったより一般的な健康リスクに対しては、その緩和効果が限定的であることが示された。3)アフリカにおける農業生産性の研究については、政策研究大学院大学の研究グループがウガンダやケニアで実施した調査に協力。4)インフラ整備事業に関する研究については、JICA研究所と協力し、インドネシアで収集したデータを分析、論文の執筆、研究会や学会等での発表を行った。具体的には、食料価格の急激な上昇や旱魃等の自然災害の発生に際し、灌漑へのアクセスと地方道路整備の状況によって決定づけられる市場の統合度合がどのような結果の違いをもたらしたかについての研究を行った。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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JICA Research Institute Working Paper
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