研究課題/領域番号 |
22530251
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研究機関 | 関西学院大学 |
研究代表者 |
新海 哲哉 関西学院大学, 経済学部, 教授 (40206313)
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研究分担者 |
大川 隆夫 立命館大学, 経済学部, 教授 (10258494)
岡村 誠 広島大学, 大学院・社会科学研究科, 教授 (30177084)
播磨谷 浩三 立命館大学, 経営学部, 准教授 (90347732)
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キーワード | 有限責任 / 企業の行動目的 / 企業金融 / Cournot複占 / 経済厚生 / 企業目的選択の内生化 |
研究概要 |
有限責任に着目し、企業金融の違いの寡占競争行動への影響の先駆的研究にBrander and Lweiss(1986)があるが、異なる企業目的をもつ場合や有限責任か無限責任かの企業の経営形態などの寡占競争への影響は分析されていない。また、企業の経営目的と経営者のインセンティブの寡占競争への影響の研究に、Fershtman and Judd(1987)があるが、有限責任、無限責任と外部資金調達の効果は分析されていない。 本研究では、経営目的と資金調達手段の分類により再解釈し、異なる目的と有限責任か借り入れ無かの組み合わせによる複占市場を考え、2企業の経営目的と生産の可変費用資金の調達手段(無借金(no debt)と金融機関や社債による外部借入調達(exogenous debt))により分類される 1)両企業がともに資金を外部借入調達しかつ、期待売上を最大化する目的をもつ有限責任(limited liability)企業の複占、2)両企業がともに資金を外部借入調達しかつ期待利潤を最大化する目的をもち、かつ有限責任企業の複占、3)両企業がともに資金を外部借入調達し、かつ1社は期待利潤を最大化し、他の1社は期待売上を最大化する2つのタイプの混合複占の3つのCournot均衡を求め、それらの均衡での均衡生産量、期待利潤、および期待社会的余剰を比較し、各複占市場均衡結果の違いを特徴づけた。 さらに、各企業が目的選択を内生的に選択する2段階ゲームで、各パラメータの値の違いにより、両社が売上最大化を選択、両社が期待利潤最大化を選択、両社が互いに異なる目的を選択する均衡が存在することを示した。別論文で、Cournot寡占競争モデルを、有限責任か無限責任かを内生的に選択できるモデルに拡張し、均衡ではすべての企業が有限責任を選択することと、すべてが有限責任を選ぶのが社会的に望ましいことを示した。
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