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2010 年度 実績報告書

東アジアにおけるバイオエネルギー関連投資の波及効果:応用一般均衡モデルの適用

研究課題

研究課題/領域番号 22530256
研究機関独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構

研究代表者

國光 洋二  独立行政法人農業・食品産業技術総合研究機構, 農村工学研究所・農村計画部・事業評価研究室, 研究室長 (30360390)

キーワード応用一般均衡モデル / 地域間産業連関表 / 第2世代バイオエタノール / 貿易連携 / 計量経済 / 生産波及効果
研究概要

先行文献や公表された統計資料等を収集・整理するとともに、秋田県で実証試験が行われている稲わら(セルロース)からバイオエタノールを生産する第2世代のバイオエタノール生産プラントを対象に生産費用の調査を行った。その結果、稲わらを原料とするバイオエタノール生産のコストは、圃場から稲わらを収集するコストが45円/リットル、プラントでの発酵プロセスに要するコストが45円/リットルと見積もられていること、施設の減価償却費が発酵プロセスに要するコストとほぼ同額になることを明らかにした。これらの値からみて、近い将来にバイオエタノール生産の全体コスト(税金を除く)が2011年度末のガソリンの販売価格と同額になる可能性が高いことが示唆できた。
次に、コストデータをもとに東アジア地域におけるバイオエタノール生産・利用の経済評価を行うため、JETROアジア経済研究所の地域間産業連関表やGTAPのデータを使って東アジア地域間産業連関表を作成した。その表をもとに影響力係数、感応度係数を算定し、東アジア各国の経済的なつながりや各国の産業構造を分析した。その結果、中国、日本、マレーシアの最終需要の変化が他国に与える影響が大きいこと、逆に、フィリッピン、インドネシア、ベトナムは他国への影響力が小さいこと、さらに、日本、アメリカ、韓国、中国は、地域内各国の生産増加が波及して当該国の生産が誘発される効果が大きいことを定量的に解明した。
得られた結果のうち、稲わらからのバイオエタノール生産のコストのデータは、東アジアにおけるバイオマス資源利用の経済評価に不可欠な基礎データであり、来年以降のシミュレーション分析につながる重要な成果である。また、地域間産業連関表のデータは、今後の応用一般均衡モデル作成に反映できる。さらに、経済構造の分析は、東アジアを対象とする経済モデルの改良につながる学術的な成果として意義深いものと考えられる。

  • 研究成果

    (4件)

すべて 2011 2010

すべて 雑誌論文 (1件) (うち査読あり 1件) 学会発表 (3件)

  • [雑誌論文] Macroeconomic Effects of the Stock Management for Irrigation and Drainage Facilities in Japan : Application of Recursive- Dynamic CGE model2011

    • 著者名/発表者名
      Kunimitsu, Y.
    • 雑誌名

      AgEcon SEARCH

      巻: http://ageconsearch.umn.edu/

    • 査読あり
  • [学会発表] Evaluation of Ecosystem Service in Japanese Rural Areas2011

    • 著者名/発表者名
      Kunimitsu, Y.
    • 学会等名
      Southern Agricultural Economics Association 43rd Annual Meetings Selected Posters
    • 発表場所
      Texas, USA
    • 年月日
      2011-02-09
  • [学会発表] 農業水利施設の長寿命化対策の経済効果-動学応用一般均衡分析の適用-2010

    • 著者名/発表者名
      國光洋二
    • 学会等名
      地域農林経済学会大会
    • 発表場所
      京都大学
    • 年月日
      2010-10-24
  • [学会発表] 東アジア地域におけるバイオマスエタノール生産・利用に関する政策連携効果:アジア地域間産業連関表による分析2010

    • 著者名/発表者名
      國光洋二・高橋渓・古林敬顕・中田俊彦
    • 学会等名
      日本地域学会47回年次大会
    • 発表場所
      政策研究大学院大学
    • 年月日
      2010-10-09

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公開日: 2012-07-19  

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