2000年代に入ってから韓国政府は産業構造高度化のため、「部品・素材産業育成政策」を進めてきた。韓国の部品・素材産業は政府の育成政策によって輸出の拡大など国際競争力の向上に成功した。しかし、このような外形的な成長にもかかわらず、韓国の部品・素材産業は依然として関連企業の零細性、核心部品・素材の高い対外依存度、対日貿易赤字の持続など依然として多くの構造的問題を抱えており、しかも、日本と中国から挟撃(Nutcracker)される現象が続いているといえる。今後韓国経済の成長の新たなエンジンとして部品・素材産業を育成するためには、まず、既存の国際競争力が高く輸出を牽引している輸出特化分野についてはキャッシュ・カウ(cash cow)の役割を持続させる必要がある。次に、対外輸入依存度が高い先端分野に対しては産学官の協力体制の構築などを通じた基礎技術の開発から製品化・事業化までの中長期的な総合戦略と支援政策が必要となる。
|