昨年度までに愛知県春日井市介護保険課と医療介護連携の促進に取り組み、医師・看護師とケアマネジャー(ケアマネ)との連携が円滑であることが重要であることが分かった。また、医師・看護師とケアマネの連携を促進するために「挨拶状」「連絡票」「在宅情報提供書」「ケアマネ医療相談チェックシート」の4つのツールを作成した。本年度は4つのツールにより、連携が促進されたかどうかを検証するために、普及率調査およびヒアリング調査を実施した。 「挨拶状」「連絡票」の普及率は1月と2月に合計3回ケアマネジャー向け研修会を行い、その際にアンケートを実施したところ、それぞれ38%、37%と予想より普及が進まなかった。ヒアリング調査より医師に対してFAXで連絡をするとういことの心理的障壁が高いこと、また地域包括支援センターの組織体制に課題があると考えられた。「在宅情報提供書」は春日井市民病院へ提供される数を調査したところ、25件/月から55件/月へと増加した。「ケアマネ医療相談チェックシート」は普及に至らず、今後の課題となった。 ケアマネの心理的障壁を取り払うために医師会副会長がケアマネジャー向け研修会において「挨拶状」等をFaxで送信することを奨励したところ、使用意識が大幅に向上した。今後の動向を追う必要がある。 名古屋市の医療介護連携の現状と課題を把握するため、市内40の病院に文書によるアンケート調査を計5回実施した。内1回は40の福祉施設(居宅介護事業所、地域包括支援センター)にも同様の調査をした。病院ごとに連携窓口の整備や病棟と連携室の連携が重要であることが分かった。 また地域によらず、医療介護の連携のためには各種情報の共有・分析が必要であり、データセンターによる情報の集約化・一元管理化が有効だと考えられた。今後の課題として取り組んでいきたい。
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