研究課題/領域番号 |
22530284
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研究機関 | 創価大学 |
研究代表者 |
高橋 一郎 創価大学, 経済学部, 教授 (60171469)
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研究分担者 |
岡田 勇 創価大学, 経営学部, 准教授 (60323888)
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キーワード | 経済政策 / 政策シミュレーション / エージェント・シミュレーション / ビジネスサイクル / ミクロモデル / 消費財 / 投資財 / 労働市場 |
研究概要 |
今年度は、関連研究のサーベイと情報収集、研究分担者との情報交換を継続しつつ、主に以下の二つを行った。 1)研究代表者を中心に、景気循環のモデルの均衡解の導出 変数の数が膨大になるので、工夫しつつ、3月までに均衡解をもとめ、景気循環の動学的基本的メカニズムをほぼ理論的に解明した。 2)研究分担者を中心に、異質性を導入しないエージェントモデルにおけるビジネスサイクルの再現 昨年度の成果として、異質性を導入した予備的なエージェントモデルのシミュレーションを行っており、均衡モデルの導出と合わせて、いわゆる経済学のメインストリームにも理解可能な意味での同質エージェントによるビジネスサイクルの再現に成功した。それによれば、金融システムや経済主体の異質性なしに、実物経済における消費財と投資財の二つの異なる財の特性の違いだけで、景気循環が発生することを確認することができた。 ここまでの研究成果を、特にマクロ基礎モデルの構築と分析に関する部分を中間報告として発表するため、論文としてまとめ、国際会議で発表するとともに、投稿論文としてまとめる。論文は来年度の初期に投稿するため準備をしている。また、このような研究手法に対する意見交換と情報公開を目的に、研究分担者が中心となって、日本社会情報学会大会(9月)において「社会シミュレーション」に関するワークショップを、Hawaii International Conference on Systems Sciences(HICSS・1月・ハワイ)において「シミュレーションによるソーシャルメディアと消費行動」に関する国際ワークショップ(Minitrack)を開催した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
今年度で3年計画の2年次が終了し、均衡解の導出と同質エージェントモデルにおけるビジネスサイクルの再現に成功した。これを論文として投稿し、研究の最終目標である異質エージェントとビジネスサイクルとの関連に取り組む準備が完了したと判断している。
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今後の研究の推進方策 |
景気循環については、エージェント・シミュレーションによる分析のための基礎的な分析が終了したので、異質性の導入による効果を測定する。この研究の成果は本研究の全体テーマである、景気循環の発生メカニズムに対する主要な知見となるので、今年度はそれに集中し、最終年度としてまとめていきたい。
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