研究課題/領域番号 |
22530289
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
中村 彰憲 立命館大学, 映像学部, 教授 (70367134)
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キーワード | 国際経営 / 競争戦略 / コンテンツ産業 / 産業集積 |
研究概要 |
今年度においては中国コンテンツ産業のクラスター化に対する理解を深めるために、更なる調査を進めていった。具体的には、大都市部の中から、上海のアニメスタジオを、沿海部からは、江蘇州の蘇州アニメ産業基地を、内陸部の状況を把握するという視点から、吉林省の長春市の動漫産業基地と複数のアニメ、ゲームスタジオに対し視察及び半構造化面接を実施している。更に、中国最大と言われ、動漫産業振興政策において「杭州モデル」を作り上げたとも言われている、国際動漫節において会場及びシンポジウムの模様、中国関連アニメ作品の状況などに関する資料収集をおこなった。 これら動漫産業の状況に加え、オンラインゲームや、スマートフォン向けコンテンツを開発するスタジオなどに対する支援の状況を確認するために、産業クラスターが成立されていると複数の研究者により言われる北京市海淀区中関村のゲーム及びウェブ関連スタジオも訪問し、前述のようなアニメスタジオと同様に、半構造化面接を実施している。これらの研究を進めてきた中から、いわゆる動漫といわれるアニメ産業においては全般的に政府主導の産業支援型政策がとられ、スタジオもこれらの支援に依存している様子が見受けられたのに対し、ゲームスタジオにおいては市場依存である傾向に強い事が確認出来た。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
中国におけるコンテンツ産業クラスターの状況を、初年度の最大規模の集積地への調査を皮切りに、大都市部、沿岸地域並びに内陸部において調査を進める事が出来たうえに、ゲーム産業の状況についても調査を深める事が実現したことから、研究対象について一定の理解を深める事が出来たと感じている。
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今後の研究の推進方策 |
本年度は昨年度の引き続き、以下の活動をおこなっていく。 第一段階:平成24年4月-平成24年7月これまで実施した海外調査での整理し、まだ調査を進めていない中国コンテンツ産業クラスター並びに中国と関わりのありそうな中華圏から1地域を選び調査先を決定、海外調査内容の実施と整理、並びアンケートに調査実施に向けての可能性及び分析枠組みの確認並びに本調査における調査結果を事例または比較事例研究とまとめ整理する。
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