本研究では、以下の課題を統計学的に検証した。(1)各国の技術特化パターンは類似しているのか、あるいは異なるのか。(2)技術特化パターンは未だにランダムなのかそれとも累積的なのか。(3)経済規模が技術活動に及ぼす影響はどのようなものなのか。実証分析の結果、上記(1)、(2)に関しては、経済発展の程度や経済規模に応じて特化パターンにばらつきがあるものの、多くの東アジア経済についてランダムなパターンから累積的かつ漸進的な特化パターンへの移行してきたことが確認された。(3)に関しては、特許数の増加を技術バラエティの増加と技術クラス当たり特許数の増加に分解してそれぞれの貢献度を定量的に明らかにした結果、GDP、人口等の経済規模を説明変数として用いた場合、追加的特許登録数の約6割近くが技術バラエティの増加によるもの、残りが技術クラス当たり特許数による貢献であることが確認された。
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