インドには、多国籍企業に対しても競争力を持つ地場企業が存在する。本研究では、企業間の分業関係によって地場企業の競争力発現が可能になり、また地場企業の関与が部品企業の成長や分業関係の効率化に貢献したのではないかと考え、まず、分業関係の実態を産業レベルで明らかにした。さらに生産性改善に分業の程度が影響しているという仮説を検証したが、データ分析からはそうした関係は確認できず、聞き取り調査からも地場企業の調達行動には積極的に外注を行う側面とともに技術力を要する調達には慎重な側面もみられ、分業の推進が一概に生産性改善にプラスになるとは限らないことが分かった。
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