研究課題/領域番号 |
22530315
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研究機関 | 広島市立大学 |
研究代表者 |
二村 英夫 広島市立大学, 国際学部, 教授 (00316134)
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研究分担者 |
高橋 広雅 広島市立大学, 国際学部, 准教授 (80352540)
小川 一仁 関西大学, 社会学部, 准教授 (50405487)
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キーワード | 地域通貨 / 地域活性化 / 貨幣理論 |
研究概要 |
2011年春に訪問したフェリカポケット・マーケティングの代表取締役社長納村哲二氏へのインタビューと電子マネー型地域通貨を活用した地域活性化のシンポジウムに参加し、この成果を踏まえて『地域通貨電子マネーによる地域活性化の可能性』として執筆し、2012年度の広島国際研究に投稿した。 また、実験経済学の手法を用いて、財・サービスの生産者が地域通貨を普及させるのが妥当か、消費者が地域通貨を普及させるのが妥当かを検討した。具体的には、地域通貨は財の特性としてネットワーク外部性を持っているので、ネットワーク外部性のある財の普及プロセスの分析を経済実験で分析した。その結果、主体の数が少ないプレイヤが地域通貨を普及させる方がよいことが明らかになった。主体数の少なさをどう解釈するか、すなわち、消費者を代表的消費者として一主体と見なしてよいかといった解釈の余地はあるが、これについては最終年度の実験をもって回答を得たい。学会報告として、数理社会学会で本研究を報告した。 なお、研究代表者二村英夫のゼミ生グループが、第1回財務省財務局学生論文コンテストに「地域通貨電子マネーによる全国規模の地域活性化構想」というタイトルで応募した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
従来の地域通貨が地域活性化につながらない理由が、全国の地域通貨発行団体に対するアンケート調査で判明し、そのひとつの対処方法として、電子マネーを取り入れた地域通貨の活用により、地域活性化の可能性を見いだせた点、また、経済実験により、主体の数が少ないプレイヤが地域通貨を普及させる方がよいことが明らかになった点から、そのように考えている。
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今後の研究の推進方策 |
最終年度は本年度進められなかった実験を広島市立大学で実施する。関西大学でも経済実験を実施できる環境が完成したので、実験協力者の数が少ない場合には関西大学も使用する。また、地域通貨の現状把握については、日本全国の統計データを用いて、どのような条件で地域通貨が生まれやすいかを検討する。
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