2012年度は、2011年度の春に訪問したフェリカポケット・マーケティングの代表取締役社長納村哲二氏へのインタビューと電子マネー型地域通貨を活用した地域活性化のシンポジウムに参加し、この成果を踏まえて、論文を執筆し、『地域通貨電子マネーによる地域活性化の提案』(広島国際研究第18巻、P.39~53)に掲載することができた。 また、地域通貨が普及するための条件を探るため、実験経済学の手法を用いて分析した。地域通貨は周りの人も使っていたり、使用可能な商店が多ければ多いほど使用することの価値が高くなる。これはネットワーク外部性を持つ財の特徴である。そこで、買い手主導型の地域通貨普及シナリオと、売り手主導型の普及シナリオのどちらがあり得るかを実験室実験(広島市立大学および関西大学)で検討した。学会報告として、進化経済学会(平成25年3月、中央大学にて開催)におけるポスターセッションでの発表を行った。 また、広島市立大学国際学部の学生が、地域活性化のアイデアとして地域農業を促進するため農産物と学生による農家支援を地域通貨で繋げる工夫を入れた「私とあなたと食と農:ファーマーズ・カフェ&マーケットによる大学発地域活性化プラン」を発表し、2012年度第11回キャンパスベンチャーグランプリ中国で奨励賞を受賞した。
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