研究課題
近年アジア各国の家計に大きな変化が生じている。安全な貯蓄者から積極的な投資家へ、家計が変貌しつつある。それも単に自己資金を投資するにとどまらず、外から借り入れて投資をする家計がアジアでも広がりつつある。科研費プロジェクト「Household Finance-家計と金融の国際比較」の初年度として、資料ならびに統計整理を行った。その手始めに各国のFlow of Funds統計を収集し、その統計処理を行った。Flow of Funds統計は、先進国では整備されているが、アジア諸国では、まだ整備されていない国が多い。Flow of Fundsなどをつかったマクロ統計分析と並んで、ミクロデータ分析が近年の新しい研究潮流である。しかし先進国といえども、家計金融に関するミクロデータは個人情報問題もあり、分析データとして利用可能なものは少ない。日本でも徐々に情報開示が進められつつある。アジア各国における家計金融に関する個票データの利用可能性について調査を進めている。日本ならびに韓国についてデータの入手に努めた。今年度は、調査の中心を韓国におき、資料収集と人的ネットワークの構築に努めた。メンバー2名が韓国へ出張し、韓国銀行、ソウル大学を中心にヒヤリング、資料調査を果たした。とくに2002~3年のカード危機についてその概要、問題点を追求した。その過程で、韓国に見られた家計金融の変貌が、近年そのほかのアジアにおいても共通した現象であることが確認することができた。
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Journal of the Japanese and International Economies
巻: (forthcoming)
九州国際大学経営経済論集
巻: 17巻3号(forthcoming)
Journal of Asian Economics
巻: Vol21, No2 ページ: 129-141
Empirical Economics Letters
巻: Vol.9, No.5 ページ: 449-457