研究概要 |
中央・地方間の垂直的な分権の効率性を扱った論文Decentralization in goverment:career concerns and yardstick competitionは,英文学術誌に投稿し,オーストラリア国立大学で開催されたカンファレンスで報告した.その内容を日本語でまとめた論文は,小西秀樹編「政治経済学の新潮流」(勁草書房)で公刊した.道州制などの水平的な分権の効率性を扱った論文Yardstick competition among career-concerned local officials:the decentralization theorem revisitedは,小樽商科大学で開催されたカンファレンスで報告し,その内容は小樽商科大学地域研究会編「グローバリズムと地域経済」に収録されて,近日中に刊行の予定である.また,原発事故に端を発し,権限配分の観点から,原発管理のガバナンス問題を検討し始めた.賠償や防災対策のあるべき権限配分について検討するための準備的な成果は友利・荒木・小西著「賠償・防災・減災:契約理論で原発管理のあるべき姿について考える」という論文に結実し,河野他編著「震災復興の政治経済学を求めて」(早稲田大学出版部)というブックレットに収録されて,近日中に刊行の予定である.他にも,早稲田大学大学院の田場弓子氏と共著でA bargaining model of free trade agreement in special interest politicsという論文を書いた.これは政府と輸入競争産業の利害を代弁する利益団体がそれぞれ拒否権を持っている状況を想定しながら,自由貿易協定の実現可能性を政治経済学的に検討した研究であり,ヨーロッパ公共選択学会や横浜市立大学でのカンファレンスで報告した後,英文学術誌に投稿した.
|
今後の研究の推進方策 |
(1)完成済みの論文については,英文学術誌に投稿し,査読の結果を反映させた改訂を行い,公刊に向けて取り組む.(2)国内外のカンファレンスに参加して,研究成果を報告し,そこでのコメントなどを反映させて,論文の質を高める努力をする.
|