研究課題/領域番号 |
22530329
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研究機関 | 大阪産業大学 |
研究代表者 |
石橋 尚平 大阪産業大学, 経営学部, 講師 (50568227)
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キーワード | 地域金融機関 / リレーションシップ・バンキング / パネル共和分検定 / Mean-Varianceモデル / 分離定理 |
研究概要 |
2011年度は、9月に国内での二度、1月に海外で一度、計三度の学会報告を行っている。国内の学会報告でのタイトルは、"Loan Portblio Adjustments of Regional Financial Institutions in the Japan's Post-Bubble Period: A Panel Cointegration Analysis"だったが、討論者の方々やコンファランスを聴講された方々のご意見やご指摘などから、論文の内容を一部修正し、海外の発表の際には"The Segmentation of Loan Interest Ratesby Regional Financial In stitutions: A Panel CointegrationAnalysis"に改めた。これらは、バブル崩壊以降の地域金融機関の貸出金利と、実質県内総生産の値の間に共和分関係を見いだし、地域金融機関が一定のズレをもって経済状況に整合的な貸出金利を設定しているかどうかを実証する内容である。国内の発表段階においては欠点も幾分残っていたが、その後指摘を受けて改良し海外でのコンファランスでの発表を行った。同論文は海外の査読誌に近々掲載される予定であり、現在論文の推敲にかかっている。また、年度後半には次回作の論文にとりかかりはじめた。今回はMean-Varianceモデルを用いて、地域金融機関の貸出金利のベンチマークとなる指標を求め、その指標との乖離を要因分析する内容となっている。膨大なデータとデータ加工を必要とするため、労作となる見通しである。現在、推計作業を終え、論文化にとりかかりはじめている。9月の第6回地域金融コンファランスならびに2012年度日本金融学会全国大会秋季大会(於北九州市立大学)で発表する予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
当該年度は雑誌への掲載などはなかったものの、実証分析において労力のかかる内容の論文を内外で3度発表することができ、またその内容も、修正を必要とするものの、海外の査読誌に論文として掲載される予定である。またその次の論文も膨大な入力作業とデータ加工の末に、推計作業をほぼ終え、現在論文化しているところである。その次の論文の企画も固まりつつあり、着々と成果を生む準備を整えている段階にあると言える。
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今後の研究の推進方策 |
発表を積極的に行っているものの、雑誌や出版といった形での成果の発表は今年はなかった。今年度ないし来年度以降に向けて、論文化を急ぐようにしたいと考える。また、海外での発表も1件にとどまっている。しかし、国内の地域金融機関を分析対象としているため、論文の内容としては海外で説明するのが困難なこともあり、場合によっては国内のみの発表に限ることもあるだろう。次回作は国内のみ、次々回作は海外で発表できる内容だと考えている。今後、共同研究も含めさらに手広く地域金融機関の研究について広く可能性を模索して行きたい。
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