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2012 年度 実績報告書

戦後西ドイツ高度成長期の信用構造と金融システムに関する史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 22530335
研究機関滋賀大学

研究代表者

三ツ石 郁夫  滋賀大学, 経済学部, 教授 (50174066)

研究期間 (年度) 2010-04-01 – 2013-03-31
キーワードドイツ / 戦後 / 銀行 / 金融構造 / 競争 / 市場経済 / 地域 / 公共性
研究概要

前年度までに収集した「銀行業における競争の歪み調査報告書」ならびに関連資料・文献を解読・検討し、関係研究者と連絡を取りながら研究目的の課題分析を進めた。
その結果、第一に、戦後西ドイツの1950年代以降における高度経済成長のもとで、50年代後半以降、信用銀行と貯蓄銀行が戦後直後の銀行解体政策の影響から回復し、61年の信用制度法改正による競争条件の法的枠組み整備に前後して、銀行3業態(信用銀行、貯蓄銀行、信用協同組合)は競争条件の不均衡をめぐって対立を深めたこと、第二に、こうした対立が「銀行業における競争の歪み調査」のきっかけとなり、その過程においてとくに貯蓄銀行に対する優遇税制が問題とされ、それは調査報告書が提出される同時期の67年税制改革によって部分的ではあるが改善されたこと、そして第三に、他方で1933年維持されていた利子率規制に関する3業態間の競争協定は1967年に廃止され、以上の過程を通じて銀行業における「公正な」競争条件の整備と実際の市場競争過程が深化したことを明らかにした。
こうした法的制度的枠組み整備は市場経済が機能するための前提条件を創出する措置であるが、他方で調査報告書は、貯蓄銀行が地域性と公共性を理念とする銀行類型であるとして特別に扱うことを認めており、このことから、貯蓄銀行を一つの重要な構成部分とするドイツ金融構造が戦前から戦後へと続く(西)ドイツ資本主義の基軸を構成する経済秩序として通貫し機能していたとして意義づけることができる。この成果については、大学紀要に研究論文として公表した。

現在までの達成度 (区分)
理由

24年度が最終年度であるため、記入しない。

今後の研究の推進方策

24年度が最終年度であるため、記入しない。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2012

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] 戦後西ドイツ高度成長期における銀行業の再建と競争――「銀行業における競争の歪み調査」の背景と帰結――2012

    • 著者名/発表者名
      三ツ石郁夫
    • 雑誌名

      彦根論叢

      巻: 第394号 ページ: 174‐188頁

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公開日: 2014-07-24  

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