研究課題/領域番号 |
22530337
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研究機関 | 大阪大学 |
研究代表者 |
阿部 武司 大阪大学, 経済学研究科, 教授 (10151101)
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キーワード | 日本 / 大企業 / 両大戦間期 / 従業者数 / ランキング表 / 工場通覧 / 全国工場鉱山名簿 / チャンドラー |
研究概要 |
本研究の目的は、第一次大戦終了直後で好況が続いていた1920年1月、その後の不況が始まっていた1922年12月、昭和恐慌期の1931年10月、戦時体制が近付いてきた1936年11月という、両大戦間期の4時点に関する日本の従業者規模別上位200企業のランキング表を完成し、それらに基づいて当時の日本大企業の展開の状況とその特徴を国際比較をも視野に入れて解明することである。いくつかのベンチマーク年を選んで大企業のランキング表を作成することは、A.チャンドラーをはじめとする外国の経営史家により、ある1国の主要産業の変遷を把握し、さらに国際比較を行う上ですでに確立した手法となっている。日本の戦前・戦後の大企業に関する総資産額あるいは利益金額順のランキング表もこれまでたびたび作られてきたが、申請者はこれまで作成されていない従業者数別のリストの完成をめざしている。平成23年度における主な作業は、昨年度に終了した36年のデータ入力に加え、同年度から持ち越された20年に関する農商務省編『工場通覧』の入力を終え、次いで22年と31年に関する協調会編『全国工場鉱山名簿』から得られる企業名、事業所名、事業所所在府県名、業種、男女別従業者数等の情報を、全事業所に関してアルバイトを使い、パソコンにエクセル・データとして入力した。本年度の上記の作業により、一部の入力漏れを除けば、予定していた4時点のデータ入力はおおむね終了した。また、上記の資料から得られない国営・公営企業や、第3次産業関連の重要企業に関する資料の収集も進めた。具体的には、本社(または本部)所在府県名、トップ経営者(原則として社長)とその特徴(創立者であるか、あるいは専門経営者であるか等)、設立年、存続年数、その他の情報(財閥系企業・同族企業・個人企業のいずれであるか等)の情報である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
9で述べたように、本研究の根幹をなす膨大な情報のコンピュータへの入力がほぼ終了したので、その補充と点検を終えれば、データベースを駆使する分析という最終課題に専念できる状態になったため。
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今後の研究の推進方策 |
科学研究費交付の最終年度にあたる平成24年度の前半期には、入力漏れデータの補足的な入力と、既に入力されているデータのチェックを行う。年度後半には完成したデータベースに基づく分析を進め、学会などでその成果の公表にも努める。
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