本研究の目的は、日本に固有な業態とされる総合商社が成立し得た要因の一つとして重要な意義を持ったとされるリスク管理の実態について、両大戦間期の三井物産、三菱商事をはじめとする各社の一次資料を用いて分析することにある。 以上の研究課題に対して、当該期の両社の取引先信用制度や見込み商売の管理制度について、主としてアメリカ合衆国国立公文書館およびオーストラリア国立公文書館シドニー分館に所蔵される接収史料を用いつつ分析し、両大戦間期に日本の総合商社が環太平洋貿易で強い競争力を有するに至った要因を実証的に解明した。
|