研究課題/領域番号 |
22530351
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研究機関 | 東洋大学 |
研究代表者 |
大豆生田 稔 東洋大学, 文学部, 教授 (20175251)
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キーワード | 経済史 / 日本史 / 商社 / 貿易 / 小麦 / 市場 / 主食 / 生活 |
研究概要 |
本研究の目的は、第1次大戦前後から1930年代を対象に、国内小麦需要の多様化・増大に応じた、北米・豪州小麦の輸入拡大の過程を実証的に解明することにある。特に、(a)小麦需要の構造と特質を地域差に留意しながら検討し、(b)小麦輸入貿易の活発化を三井物産・三菱商事など日系商社の活動を通じて探り、また(c)小麦輸入関税政策をl926年・32年の関税改訂に着目して考察することを具体的な課題とする。本年度の研究実績は次の通り。 (l)資料の調査・収集:上記(b)について、引き続き米国国立公文書館、および豪州国立公文書館シドニー分館が所蔵する三菱商事・三井物産の北米小麦輸出関係資料について調査・写真撮影を進め、一部を残し大方の作業を終えたところである。<旅費等>(a)(c)については、国内の資料所蔵機関において新聞資料の検索、小麦需要の拡大、製粉業の動向などに関する諸資料の収集を継続して進めた。<その他> (2)収集資料の整理・分析:(b)について、米国国立公文書館、豪州国立公文書館シドニー分館収集資料について撮影リストを作成し、またデータの入力作業を進めた。(a)(c)については収集資料の画像データ化、データ入力などの作業を実施した。<謝金等> (3)研究成果の公表:主として米国国立公文書館の収集資料を用いて、1920年代半ば以降の三菱商事在米支店に注目し、北米(アメリカ、カナダ)小麦・小麦粉の仕入活動、および対東アジア、対ヨーロッパ輸出の展開について論文を2本作成した。刊行は2012年度の予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
・海外の資料調査・収集がほぼ予定通り進行している。平成24年度(最終年度)に、未調査分作業と補遺的調査を実施して、終了する予定である。 ・研究成果の発表(論文作成等)については、発表は平成24年度となるが論文2本が完成している。次年度さらに現在準備中の論文等を発表する予定であり、ほぼ予定通りに作業が進んでいる。
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今後の研究の推進方策 |
次年度は最終年度にあたる。研究計画の変更、特段の問題等はないが、計画通り作業が完了するよう、当初の計画に従って研究を推進する。海外の資料調査については、豪州国立公文書館シドニー分館所蔵資料については、計画通り作業をほぼ終えたので、今後は米国国立公文書館所蔵資料について作業を集中する。
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