研究概要 |
第8代エルギン伯爵の日英条約以降の幕末・明治の日本の変化を、英国のスコットランドからの「お雇い外国人」の流入を、スコットランド人の離散共同体活動(デイアスポラの視点からの研究を進めた。 研究の進展のために、大阪・堺在住の指導教授の角山栄先生を訪問し、研究動向と資料収集の可能性の教授を受けた。また神戸大学名誉教授で幕末明治の神戸の居留地について柚木先生から教示を受けた。また長崎の県立博物館と函館市博物館とは交信して、資料の確認を行った。都内の外交史料館も1度訪問し、資料の確認を行った。さらに大阪の民族博物館と京都の国際日本研究センターで客員研究員を10年したこともあり、その経験から同分野の研究者の業績を確認し、利用する方向性を見つけることができた。 発表では、6月にシンガポールでの第21回アジア歴史家会議(IAHA)で「第8代エルギン伯爵の見たアジア、中国・日本」を報告、8月には英国のグラスゴウ大学で開催されたヨーロッパ経済・経営史学会(EBHA)では、明治期日本に到来し、日本の海運業の発展に尽力し、日本郵船を発起し,帰英して海事機械輸出ビジネスのかたわらグラスゴウ在日本領事を務めたA.R.ブラウンの企業者活動を報告した。また、この2会議の出張記録は、「アジア国際歴史家会議とヨーロッパ経済・経営史学会に参加して」(『創価経済論集(Vol XI,No.11-4、2011年3月発刊)61-71頁に紹介した。 また交付金にて、幕末明治の貴重な書籍を3シリーズ購入。また英国のスコットランドのエディンバラの国立資料館をはじめ、グラスゴウ大学、エディンバラ大学、アバディーン大学、スント・アンドリュース大学との資料についての交信を再開することができ、次の機会に訪問するつもりである。
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