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2011 年度 実績報告書

第1次世界大戦期ドイツにおける社会保険の動向

研究課題

研究課題/領域番号 22530355
研究機関福岡工業大学

研究代表者

加来 祥男  福岡工業大学, 社会環境学部, 教授 (30024988)

キーワードドイツ / 第1次世界大戦 / 社会政策 / 社会保障 / 社会保険
研究概要

(1)昨年度収集した文献、とくに関係法律(「疾病保険法」、「労災保険法」、「廃疾保険法」とそれぞれの改正法、そして、それらの集大成となる1911年の「ライヒ保険法」、および「職員保険法」)の通覧・検討、これらの保険制度に関する基礎的な統計数字の整理・分析をとおして、第1次世界大戦前の社会保険制度とその実態、当時のドイツ社会におけるその意味を明らかにすることができた。
(2)それと並行して、当該テーマの研究に必要な文献・資料の収集が継続された。それは、最近の研究成果(新刊書)と、大戦期に出された法律・命令、種々の雑誌の論説、当事者の発言に大別される。大戦期の制度改正にかかわる数多くの法律・命令、当時のライヒ保険庁長官であったパウル・カウフマンの講演や著書は本研究を進めるための資料として不可欠であり、とくに後者を入手することができたことは、大戦期の社会保険制度の機能とその問題、大戦後への展望を知るうえで大きな意味を持つ。
(3)社会保険制度とならんで、社会政策のもう一つの重要な局面をなす労働協約制度については、1918年に出された「労働協約令」に関して、ルーヨ・ブレンターノの議論を中心にその意味と問題点を整理し、「ルーヨ・ブレンターノの労働協約論」として発表することができた。
(4)ドイツと日本の研究者、とくにロイレッケ、アンブロジウス、石坂昭雄教授との意見交換から、なお分析されるべき論点(現代史における第1次世界大戦の位置づけ、戦争経験とその意味、ドイツの連邦制的性格、ドイツと他のヨーロッパ諸国との比較など)、本研究のもつ意味、目指すべき方向性などについて貴重な示唆を得た。

現在までの達成度 (区分)
現在までの達成度 (区分)

2: おおむね順調に進展している

理由

関係法律の検討をとおして制度的な枠組みを整理し、統計数字を収集することによって、第一次世界大戦前の社会保険制度とその実態を理解することができ、また、それと並行して、大戦期の制度改正、制度の実態とその後の展望にかかわる資料・文献を入手することができた。さらに、社会政策の他の重要な局面をなす労働協約制度については、ルーヨ・ブレンターノの議論を中心に理解を深めることができた。

今後の研究の推進方策

現在執筆中の「第1次世界大戦期ドイツの社会保険」(1)(大戦前の制度を扱う)を完成させ、それにつづいて(2)(大戦前の実績の整理)を執筆する。
以上の基礎の上で、大戦期における制度の変容、そのもとでの社会保険制度の機能とその問題を分析していく。
そうした作業のなかで、なお文献・資料の収集も継続される。

  • 研究成果

    (1件)

すべて 2011

すべて 雑誌論文 (1件)

  • [雑誌論文] ルーヨ・ブレンターノの労働協約論2011

    • 著者名/発表者名
      加来祥男
    • 雑誌名

      愛知大学経済論集

      巻: 第186号 ページ: 23-53

URL: 

公開日: 2013-06-26  

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