研究概要 |
経済のグローバル化に伴って拡大する日本からの海外派遣業務において,派遣要員としての適性な人材の選定および資質向上のための評価システムの作成を試みた.本システムは,実際に現地に派遣され現在駐在中の日本人社員およびその部下(ローカルスタッフ)等から採取したアンケートとヒアリングに基づいてデータベースを作成し,これを用いて将来派遣されうる人材の適性を事前に分析することによって派遣候補者の選抜を効率的に行うとともに,候補者の能力育成のための教育プログラムやキャリアパスに関して知的支援する評価ツールとして機能するものである.知的原理としては,評価基準に決定木手法を用い,これを進化型計算手法で最適化する方法を試み,実務的活用を検討した.現地法人の所在する地域としては,中国,アセアン,インドとした. その結果,本手法は適性評価のための決定木が効果的に学習するとともに未知データに対しても誤分類率が低く信頼性のある評価が可能であるものと思われた.また,実際にアンケート入力と結果出力を行う評価ツールを試作し,機能性や操作性などから実務での有用性を確かめた.
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