研究概要 |
本研究は、これまで世界的に評価されてきた日本型自動車流通システムが、何故、中国自動車市場で多様化しそしまうのかを日系自動車メーカーにとっての「意図しない差異」という視点から明らかにするものである。 ・さて、本年度(22年度)の研究課題は「中国の自動車産業・流通政策の経緯・動向分析」であり、主に文献・資料研究の方法によって研究がなされた。 ・その結果、「生産重視から消費者・流通重視へ」の自動車産業・流通政策の転換の後に出された政府意見「流通を活発化させ,消費を拡大に関する意見」(国務院、2008年12月)、「流通を活発させ,消費を拡大」のテレビ電話会議(商務部、2009年3月)、「自動車消費を促進するための意見」(商務部、2009年3月)によれば、中国政府は、中古車市場を含めた中国自動車流通システムにおける多様性を奨励していることが明らかとなった。 ・すなわち、これまで中国自動車流通は「自動車ブランド販売管理実施弁法」によって垂直的・閉鎖的なシステムが志向されていると考えられてきたが、今後は、必ずしもそうではなく、したがって、垂直的・閉鎖的システムを内容とする日系自動車メーカーによる日本型自動車流通システムの推進にどのような影響を与えるかを考えていくことが重要となった。 ・最後に、以上のことを踏まえ、次年度に実施するインタビュー調査の項目について検討した。 ・なお、本年度における研究の成果は、中間報告として学会で報告した。
|