研究課題/領域番号 |
22530379
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研究機関 | 明治大学 |
研究代表者 |
山本 昌弘 明治大学, 商学部, 教授 (10261489)
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研究分担者 |
山下 洋史 明治大学, 商学部, 教授 (00239980)
萩原 統宏 明治大学, 商学部, 教授 (40314348)
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キーワード | CSR / 企業評価 / 財務データベース / 企業統治 |
研究概要 |
山本は、「東洋経済CSR企業ランキングデータ」を入手し、従来の財務データベースと合わせて、多元的な企業評価に取り組んだ。その成果は、日本経営財務研究学会で報告するとともに、「信頼される会社の研究」として論文化した。そこでは、社会責任、規模、環境といった因子を抽出することが出来た。 山下は、財務データのみならずCSRデータを加味した新たなファジィ・エントロピー・モデル(山下・山本・萩原「CSR評価の一因子ファジィ情報路モデル」,山下・山本「CSR評価とファジィ・エントロピーの調和モデル」)を提案し、それぞれ実証分析を行っている。これらにより、財務データとCSRデータを、情報理論とファジィ理論の枠組で分析する新たな研究アプローチを開拓している。また、バブル期の財務データに対して、これと同様のアプローチを適用することにより、一因子二段階情報路モデル(山下・鄭・山本「バブル期の財務データを用いた一因子二段階情報路モデル」)を提案している。 萩原は、資本市場の代表的なゲートキーパーの一つである格付機関の生産する格付情報について、定量的かつ相対的に比較する枠組みを「Did the Lehman Shock have an impact on consistency of rating information」に提示した。パリバショック、リーマンショック以後、最近のヨーロッパにおけるソブリンリスクの高まりに連なる国際的な信用不安の時期において、格付機関に対する規制のあり方、格付情報に対する評価方法に対する議論は、市場参加者にとっては言うまでもなく規制当局にとっても、重要度をますます高めつつある。この側面において貢献を試みるため、研究事例の蓄積に試みていきたい。また、財務データのみならずCSRデータを加味した新たなファジィ・エントロピー・モデル(山下・山本・萩原「CSR評価の一因子ファジィ情報路モデル」を握案し、それぞれ実証分析を行っている。これにより、財務データとCSRデータを、情報理論とファジィ理論の枠組で分析する新たな研究アプローチを試みている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
山本、山下、萩原はCSRデータベースの分析という共通の研究テーマを見出しつつ、各自がそれぞれの問題意識と専門分野に引き付けて研究を行い、その成果も学会報告や論文発表という形で結実している。
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今後の研究の推進方策 |
今後は、多元的な企業評価という観点から財務データベースとCSRデータベースの総合分析へと研究の焦点を絞っていきたい。
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