本研究では、「宗教・文化混合地域における企業経営-イスラーム圏とヒンドゥー圏の比較研究を通して―」を検討する。そのために、イスラーム圏とヒンドゥー圏における宗教・文化に基づいた①商慣行・会社法制度と、②トップマネジメントと企業経営機構、③企業経営の融合の3つを深く考察する。つぎに、本研究の学術的な特色・独創的な点は、今日まで、このような研究は、日本国内だけではなく、日本国外でも行われておらず、実際に、「イスラーム金融」や「インド経済」に関する文献は多少存在するものの、宗教・文化と企業経営を行っている研究は、非常に少ない。しかも、経営学領域に宗教や文化を取り入れた研究および融合問題を取り扱っている研究は皆無に等しく、本研究は、独創的であり、新規性や革新性を備えているといえよう。 まず、平成24年度には、平成24年度は、イスラーム圏としてマレーシア、ヒンドゥー圏及びその他文化混合地域圏としてシンガポールにおける、(1)宗教・文化に基づいた商慣行・会社法制度と、(2)トップマネジメントと企業経営機構を調査するという目的で、マレーシア及びシンガポールにおいて調査・資料収集を行った。その中で、多くの資料や文献を収集し、イスラームやヒンドゥー圏と、欧米や華僑などが混合する地域における宗教・文化に基づいた企業経営に関する研究を行った。
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