研究課題
本年度の研究実施計画の要点は以下の通りである。第一に、統計的な手法を用いて韓国SCMの量的変化を分析する。第二に、韓国自動車メーカーのSCM戦略における新たな動向、即ち質的変化を検討する。第三に、以上の研究成果を日本国内外の学会及び実業界に還元する。第一の研究実施計画においては構築されたデータベースの分析を行ってきたが、24年度の研究成果には間に合わなかった。所定の事業年度を超えるが25年度中には学会発表を行う。第二の定性的な研究については、以下のような主要な研究成果を得た。①李[2012]「韓国自動車産業における完成車委託生産の意義-日本の委託生産との対比を通じて-」『アジア経営研究』第18号は、韓国現代自動車グループ傘下におかれた起亜自動車に軽自動車を委託生産する、東熙自動車との取引関係について、日本では初めて分析した学術論文である。その中で、トヨタやホンダにおける委託生産との対比を通じて韓国国内の委託生産における企業間関係の形態と企業間取引関係の特性との間の不整合な側面を析出することができた。また、現代自動車、起亜自動車、及び委託生産企業への部品調達は、主要部品のモジュール化にも起因するが、日本以上に統合的に行われていることを確認することができた。さらに、②李在鎬(2013)「後発自動車メーカーのグローバル組織能力構築-現代自動車グループの事例-」『京都橘大学研究紀要』第39号では、数次にわたる現代・起亜への実地調査に基づき、近年の現代自動車グループの躍進にはグローバル組織能力構築という一定の質的な成長があったことを検証した上で、その主要な要因として、モジュール化、グローバルサプライヤーとの連携、現代と起亜との部品共通化などプーリングの徹底を取り上げている。第三の、国内外の学会への発表実績として、日本、ポーランド、中国で学会発表をおこなった。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
すべて 2013 2012 その他
すべて 雑誌論文 (4件) (うち査読あり 2件) 学会発表 (4件)
京都橘大学研究紀要
巻: 第39号 ページ: 197~227
実践経営学研究
巻: 第4号 ページ: 29~36
Gerpisa colloquium 2012, conference paper
巻: Gerpisa colloquium 2012 paper ページ: 1~14
http://gerpisa.org/en/node/1582
アジア経営研究
巻: 第18号 ページ: 47~56