当該研究の目的は、東北地方にある請負コミュニティに対する複数のフィールド調査をもとに、それらにおいて 事業活動を担う人的資源がどのように育成・活用されているか、また、ビジネス・イノベーションの源泉となる 知識がどのように蓄積・創造されているかを経営学的視点から明らかにすることにあった。当該研究は東北地方の経済経営における「請負」という取引行為に着目し、そこにおける経営資源の蓄積と発展について のフィールド調査研究によって、独自の貢献をめざした。 平成24年度は研究の締めくくりとして、下記のような研究活動を実施した。 (1)文献渉猟:追加的に必要な文献について渉猟を進めた。 (2)フィールド調査:経験的分析の対象としている3つのフィールドのうち、東北地方を中心とした建設業、および製薬業については、震災の影響も部分的にはあったが、それも含め、必要なデータ収集はおおむね完了した。(3)成果の発表:本年度、もっとも重点をおかれるべき研究活動であった。本年度は、上野山と櫻田による、請負コミュニティ・ 自然災害とキャリアを議論のトピックとし、製薬業を主たる調査対象とした研究成果(題目:Disaster and rec onstruction of individual career perception: Theoretical exploration and a pilot case study in Fukus hima)を、European Group for Organizational Studiesの年次大会(平成24年7月開催)において、査読通過のうえ発表した。
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