研究課題
近年イノベーションをめぐる環境は大きく変化しているが、その本質は、従来、大企業内の組織が担ってきたイノベーション推進の中心的役割を、大学やベンチャー企業等から構成され、しかも既存の組織の枠組みを越えた「エコシステム」が担うようになってきたことにある。本研究はこのようなオープン・イノベーションの環境下における、イノベーション・エコシステムに最適な会社形態を研究し、イノベーション促進のメカニズムを解析しようとするものである。本年度は、ベンチャー企業に関する各種データベースや東京大学関連ベンチャー企業に関するデータの分析を行い、ベンチャー企業の資本構成やベンチャーキャピタル投資と、ベンチャー企業のイノベーション力の関連についての研究を進めた。日米のベンチャー企業の資本政策や上場環境の比較分析を行った結果、日本におけるベンチャーキャピタル投資や新興市場の特徴が、技術系ベンチャーのイノベーション力に与える影響に関しての一定を知見を得ることができた。また、東京大学における企業との共同研究実績を基にした、大企業のイノベーション・エコシステムの活用実態に関する研究成果を、技術経営に関する国際学会(International Technology Management Conference)に発表するとともに、前年度に国際学会に発表したコーポレート・ベンチャーキャピタルの進化に関する研究発表が、2011年に発表された技術経営分野での優秀論文の一つに選ばれ、IEEE Technology Management Council が刊行する書籍(Advances in Technology and Innovation Management)の一章として出版された。
24年度が最終年度であるため、記入しない。
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Proceedings of IEEE International Technology Management Conference
ページ: 222-229
DOI:10.1109/ITMC.2012.6306402
研究 技術 計画
巻: vol. 25, No. 3/4 ページ: p.342-351