日本とアジア諸国におけるサービスセクターイノベーションシステムや異業種によるサービスイノベーション開発について、異なるアクターの協働、制度的変化を必要とする技術に焦点をあてながら、総合分析を行った。このための新しい指標や方策を作成し、イノベーションに影響を与える様々な要因を分析、検証した。ミクロレベルと並行して、制度的、政策的インプリケーションの分析も行った。 韓国のモバイルサービス分野において2008-2009にイノベーションのフォーカスがB2CからB2Bに変化したことでモバイルサービスイノベーションの新たなダイナミクスが生まれ、パラダイムの変化を土台としたサービスイノベーションを研究するためのフレームワークを構築した。韓国の中心的携帯電話サービ事業者が提供している250のサービスにおいてマーケットに投入されたデータをサービスイノベーションとして捉え新な分析方法を開発し、サービスを7つのグループに分類した。またサービス志向的観点でモバイルキャリアとユーザのダイナミックな協働作業や相互作用について分析し、新規モバイルサービス開発への利用者の活発な参加は co-produced イノベーションを導き出していることを明らかにした。総合的な観点でB2Bモバイルサービスイノベーションモデルを提案した。この研究成果を、韓国KAISTで行われたMOT アジア会議で発表した。韓国とは異なり、我が国では携帯電話で競争力を失った理由を解明するためにモバイル分野のバリューネットワーク分析を行った。 新興技術の進化過程のダイナミクスを、知識創造の視点により、分析し、計量的に考察するフレームワークを構築し、米国で開催された国際会議で発表した。携帯電話や自動車を動かす組み込みソフトウェアのイノベーションについて実証分析を行い、特許検索の新しい手法を開発し、知名度の高いジャーナルに掲載された。
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