安全形成のための技術と組織について、最近の国際的な研究動向についても情報収集し整理分析を加えたうえで理論的枠組みの検討をする一方で、技術システムの安全や事故に関わる近年の資料をさらに収集し、これまでに収集・精査してきた高速鉄道、航空管制、原子力発電所などの事例分析と併せて、見直された理論的分析枠組み(技術の社会的形成アプローチに基づく高信頼性組織批判を基盤とした枠組み)を用いて、比較事例分析として事例の比較分析および理論的検討を行い、技術システムの安全形成のための組織プロセス理論の基盤を構築した。 その結果の一部は、東京で開催された経営学関連の国際学会International Federation of Scholarly Associations of Managementの第12回世界大会において採択され報告を行い、参加者から高い評価を得ることができた。今後、その内容をもとに国際的な学術雑誌への投稿準備を進めている。また、今後、さらに学会報告やセミナー、授業などを通して研究結果の社会還元を図るとともに、今回得られた知見についての研究者や実務家との議論も積極的に行い、今後の研究につなげていきたい。
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