先端技術を代表するエレクトロニクス製品はグローバルな市場競争で苦戦を強いられ、シェアの低迷、収益性の伸び悩みに直面している。他方自動車産業では次世代自動車の開発で電気自動車やハイブリッド車の開発が進むにつれて、エレクトロニクス産業と同じ状況に直面するのではないかという懸念が高まっている。 そこで本年度は、技術の転換点にある自動車に重点を置いて、国内各社の技術動向や開発の実態を調査することにした。その結果、自動車技術はパラダイム転換期にあり、技術は目まぐるしく変化し、各社の技術戦略もダイナミックに変化しているという実態を把握することができた。また、デトロイトの自動車ショーでの調査を通じて、日本の技術優位はデファクトスタンダードを市場シェアの獲得によって確立できなければ、GMや欧州車の電気自動車に敗れる可能性があること、ハイブリッド車への国際認識が米国で以外では低いことなどが判明した。 初年度なので調査活動に重点をおいたため、発見事実を中心に研究会等での発表を行い、データー等の論文化はH23年度に多くを繰り越すことになった。
|