研究課題/領域番号 |
22530419
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研究機関 | 北海学園大学 |
研究代表者 |
菅原 秀幸 北海学園大学, 経営学部, 教授 (30542518)
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研究分担者 |
平野 研 北海学園大学, 経済学部, 准教授 (20438352)
関 哲人 北海学園大学, 経営学部, 准教授 (40510847)
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キーワード | BOPビジネス / 価値の協創 |
研究概要 |
企業利益と社会利益の同時実現型ビジネスの実態について、日本、米国、欧州において調査・分析を実施した。日本では、BOPビジネスの一翼を担うと期待されている中小企業3社について、訪問・インタビューによって事例分析を行った。特に水ビジネスに着目し、その特徴を探った。米国では、イノベーションの中心地、シリコンバレーにて米国企業を対象に調査を行った。シリコンバレーの中核となるスタンフホード大学を研究拠点とし、途上国においていかにイノベーションをおこすかを重要な経営課題の一つとしている企業を分析対象とした。中南米諸国の生産物が実際に消費されている欧州では、フェアトレードが新たなビジネスモデルとして確立しつつあるイギリス、イタリア、スペインにおいて実態調査をおこなった。企業、市民、行政の3者の連携が取れた新たなビジネスのあり方を探り、課題を明らかにしようと試みた。 以上から明らかになったことは、継続的なビジネスの仕組みをいかに構築するか、そして、どのように現地の雇用を創出してゆくかが、課題となっていることである。企業利益と社会利益を継続的に同時に実現していくことは、従来の発想からは容易なことではない。「価値の協創」「共有価値の実現」といったコンセプトで表されはするものの、実際にそれを継続して実現していくには、多くの課題を克服しなければならない。途上国の貧困層社会に貢献できるビジネスモデルを構築し切れていない実態が浮かび上がった。これは、本研究に着手した当初の段階に予想していた状況を下回るほどの実態であり、多くの企業が挑戦し苦闘している姿が明確になった。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
BOPビジネス・モデルめ多様性のゆえに、分析枠組みが絞り込めず、アンケート調査にまで達しなかった。
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今後の研究の推進方策 |
より精緻な事例分析をさらに行って、そこから分析枠組みを確立する。定量的な分析には、現時点では限界があることが判明してきたために、定性的な分析に、まず主眼をおく。本研究の目的は、BOPビジネスをめぐるこれまでの動向と研究成果を整理した上で、日本企業によるBOPビジネスの現状、可能性、課題について分析することであった。すでに、BOPビジネスをめぐるこれまでの動向と研究成果の整理は済んでいるので、日本企業の課題に焦点を当てていく。そこから、現実的示唆に富むインプリケーションを導き出す。
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