研究課題/領域番号 |
22530424
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研究機関 | 上智大学 |
研究代表者 |
竹之内 秀行 上智大学, 経済学部・経営学科, 教授 (90297177)
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研究分担者 |
高橋 意智郎 実践女子大学, 人間社会学部, 准教授 (80407220)
齋藤 泰浩 東京国際大学, 商学部, 准教授 (50296224)
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キーワード | 海外直接投資 / 企業間の相互作用 / 新興国市場 / バンドワゴン効果 / 不確実性 / サプライヤー |
研究概要 |
本研究の目的は、日本企業の海外直接投資行動パターン、特にバンドワゴン的投資行動を明らかにすることである。対象としては、90年代以降の日本企業の対中直接投資を扱う。対中投資を対象とすることで、不確実性の高い市場への参入における日本企業の海外直接投資行動パターンを明らかにするとともに、企業間の相互作用パターンと企業のパフォーマンスの関係の分析を行う。 こうした目的に基づいて、当該年度においては日本企業の対中投資に関するデータベースの構築に取り組んだ。当該年度は特に、自動車部品メーカーの対中投資に焦点を絞った。その理由は、自動車部品産業においては、垂直的な関係(取引関係)と水平的関係(競争関係)の双方が重要であり、その2つの企業関係が対中投資の意思決定へ与える影響を検討できると考えたからである。昨年度から引き続き作成を実施しているため、その充実を図るため新たな変数として(1)グループ企業の投資行動、(2)商社との関係、(3)海外経験等の変数をデータベースに組み込んだ。そのデータベースに基づいて、試験的に実証分析を行った。この実証研究の結果、自動車部品メーカーの対中投資は複雑であり、多くの要因によって影響を受けていることが明らかとなった。このデータベースに関しては、次年度以降においてもさらに整備を続ける予定である。こうした計量研究と並行して、自動車部品メーカー3社を取り上げて、ケース研究を行い、その成果についてもディスカッションペーパーの形で発表した(竹之内・高橋・齋藤、2012)。こうしたケース研究についても、次年度以降も継続する予定である。 これら2つのことに基づいて、分析枠組みの構築・修正を進めた。分析枠組みについては、修正を加えながら、次年度も引き続き検討を行う予定である。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
データベースの構築が順調に進んでいることに加えて、データベースの中で明らかとなってきた特殊ケースのピックアップが進んだ。この2つのことにより、大量サンプルによる実証研究とケース研究を進めることができたため。
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今後の研究の推進方策 |
来年度、国際学会での報告がすでに決まっている。この報告をはじめとして、今後は、(1)データベースのさらなる整備、(2)実証研究の実施、(3)ケース研究の実施、を行っていくとともに、研究報告を適宜進めていく。
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