研究課題/領域番号 |
22530430
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研究機関 | 法政大学 |
研究代表者 |
田路 則子 法政大学, 経営学部, 教授 (00322587)
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研究分担者 |
新谷 優 法政大学, グローバル教養学部, 助教 (20511281)
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キーワード | ハイテク・スタートアップ / 成長要因 / 経営チーム / IT産業 / グローバル経営 / アカデミック・スピンオフ |
研究概要 |
日本のIT産業において、先進的技術を駆使してグローバル企業に成長できるようなハイテク・スタートアップは生まれないのだろうか、それとも、潜在力があっても成長しないだけなのだろうか。スタートアップの資金調達が極めて厳しい環境にあることをコントロールするために、研究開発費が少なくても成長できるインターネット関連ビジネスに注目した。起業家固有の要因と経営チームの形成について、明らかにすることを試みている。 インターネット・ビジネスに絞ったインタビュー調査を、日本企業を8社、米国企業を15社に対して実施した。 2010年の米国の特徴は、資金調達についてはベンチャー・キャピタルから投資を受けず、自己資金とエンジェル投資で運営している傾向がある。これは、リーマン・ショックの影響ではなく、ソーシャル・ネットワーク・システムやスマートフォン向けアプリ開発のビジネスの立ち上げに必要な資金が少ないことを反映している。技術者は外部委託や契約社員を最大限に利用し、軽い経営を実践している。技術的にハイエンドであるよりも、アイデアと参入タイミングが重要になるビジネスである。出口は、明らかにGoogleやFacebookによる買収を想定している。経営チームは、前職での知己や個人ネットワークを頼りに構成されている。 日本においても、米国と同様にベンチャー・キャピタルからの投資は受けず、主に自己資金や銀行からの借り入れ、第三者割当増資などを行っている。米国との相違は、出口を明確にしていないことである。経営チームは創業者のネットワークに存在する人材で構成されている。
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