今年は、(自分にとって)大きな成果を得ることができた。それは、研究には「発見」と「創造」の2つの分野に分けることができること、の発見である。「発見」研究とは、文字通り、何かを発見しようとする研究である。自然科学の分野では、未知の物質の発見、未知の法則の発見などが、それである。社会科学の分野では、経済法則の発見や民族の習性の発見などである。「発見」研究に対して「創造」研究とは、これまた文字通り、何かを創る研究である。科学・工学の分野では、新素材の開発や新機能ロボットの開発などである。社会科学分野の「創造」とは、新ビジネスモデルの創造、合理的な作業方法の開発などである。ノーベル賞の多くは、「発見」研究に与えられる。これらのことを今年度発見した。 さて、本課題の研究は、上の2つの分野の観点からすると、つぎのように言うことができる。新製品を「創造」するために、まずニーズ(需要)を「発見」する必要がある。ニーズを発見する方法の一つとして、本課題で提唱している「できる展開法」がある。つまり「できる展開法」は、「発見」をするための方法論であることが明白になった。それに対して、本課題のもうひとつのテーマであるシステム設計方法は、「創造」のための方法論であることが明白になった。 発見と創造の2つに分けたことは、つぎのような意義がある。発見には発見をするための方法論があるべきである。創造には創造のための方法論があるべきである。両者を使い分ける必要がある。間違った方法論を採用すると、研究の効率が落ちる。 上記の研究結果は、外部にはまだ未発表である。が、来年度はうまくまとめて発表したい。
|