研究概要 |
アジア金型産業における技術水準とスキル形成研究について,以下の調査,研究を行った。 1 分析枠組精緻化における定性指標の検討:日本の製造業におけるスキルを対象とした文献サーベイを行い,4タイプのスキル(定形,クラフト,知的,文脈・管理統合)を提示し,およびこれらのスキルが,新技術導入によりどのように変化するかについて,2011年3月にタイ・タマサート大学において開催されたワークショップにて報告を行った。 2 タイへのヒアリング調査の実施:(1)スキル評価基準について,1における文献サーベイ大手日系企業のタイへ技術移転との比較を行うため,ホンダおよび日産の現地金型専門会社へのヒアリングを行った。また,タイ労働省へのヒアリングを行い,金型に関する技能検定に必要とされるスキルについてヒアリングを行った。(2)日本の政府機関が,タイローカル企業への金型製作技術の能力向上巡回指導について,日本から派遣された専門家へのヒアリングを行い,技術移転の第一歩としての「基本管理スキル」について検討を行った。 しかし平成23年2月に予定していた中国調査については,現地での金型材料,人件費の急騰,ユーザーサイドとの納入価格の一致を見ないことが要因となり,金型製作を中断した企業があり,調査予定企業へのヒアリングのキャンセルが相次ぎ平成23年度に延長せざるを得ない状況であった。これについては23年5月3日から7日にヒアリングを青島および上海において行い,スキル嵌入型のケースが再確認された。
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