研究概要 |
平成22年度は、次の2点を中心に研究を行なった。 1. 外部環境変化に対する企業の対応について香港企業を事例に研究 2. 自動車企業のエレクトロニクス化に伴う標準化活動、AUTOSARの標準化活動について明らかになった内容は次のとおりである。 1. 香港企業は香港だけでの小規模な軽工業中心の製造から脱却して、製造・販売・流通は中国本土、新規顧客の開拓、金融、ビジネスの管理などは香港でという「分業体制」を築き、中国本土は輸出を軸とした工業化、香港はサービス化という形で発展を遂げてきた。香港企業は香港に本社機能を置き、香港の金融、情報、人的ネットワークなどの優位性をおおいに活用しながら、中国本土の、また周辺アジア諸国の飛躍的な経済発展に対応して、迅速かつ大規模な企業活動を展開し、ダイナミックなイノベーションをつくりだしている。 2. AUTOSAR (AUTomotive Open System ARchitecture)は自動車メーカ,システムサプライヤ(電装部品メーカ),半導体メーカ,ソフトウェアハウス,ツールベンダ等によって構成されている世界規模の産業コンソーシアムである。"標準で協調し,実装で競争する"(Cooperate on Standards, Compete on Implementations)をモットーに据え,2003年からオープンな標準ソフトウェア・アーキテクチャ(車載ドメインにおけるE/Eシステムの"真の標準:THE Standard for E/E system in the automotive domain")の開発とその普及に取り組んできた。2009年末には,AUTOSAR第二期の活動成果であるリリース4.0がAUTOSARメンバーに公開された。また,AUTOSARのコア・パートナーによってAUTOSAR第三期(2010年~2012年)に関する新規契約の締結が完了し,AUTOSAR仕様の保守・管理,成熟化の促進,新規ハードウェア・メカニズムのサポート,既存AUTOSARシステムのさらなる強化が推進されている。
|