研究課題/領域番号 |
22530442
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
今田 治 立命館大学, 経営学部, 教授 (50232608)
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研究分担者 |
中西 一正 立命館大学, 経営学部, 教授 (40217766)
徳田 昭雄 立命館大学, 経営学部, 准教授 (60330015)
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キーワード | 技術経営 / 生産システム / グローバル化 / 生産準備 / アーキテクチャ / 標準 / モジュラー型 / コンソーシアム |
研究概要 |
平成23年度は、次の2点を中心に研究を行なった。 1.激変するグローバルな経営環境の変化、それに対応する国内外での生産システムの構築(自動車企業を事例に) 2.自動車組込みシステムのアーキテクチャをモジュラー型へ変えていくプロセスにおいて欧州のコンソーシアムが策定する標準が、今後の自動車産業の競争環境にもたらす影響 明らかになった内容は次のとおりである。 1.自動車企業では、品質、環境への取り組みとともに、世界市場(とくに新興国市場)で生産・販売規模を拡大するために、世界各地域の戦略的位置づけが明確にされ、グローバルな連携を保持しながら、販売と生産・調達のバランスを最適化するための現地化を主な内容とする戦略が展開されている。研究開発体制に関しては、開発拠点の分散化と統合がすすめられ、日本の研究開発拠点では、基礎研究、先行技術開発、世界戦略車の開発が、他の地域の拠点では、日本と密接に連携をとりながら、地域のニーズを取り入れた製品開発がなされている。生産では、グローバルな生産準備体制と、標準化された生産ラインが構築され、少量から大量生産まで量的にも、品質的にも対応でき、しかもコストのかからない生産技術の開発、新車生産立ち上げ、また生産移転のための迅速な生産準備、海外支援、人材育成がすすめられている。 2.車載通信から車載ソフトウェアなどの車載電子制御システムのデファクト・スタンダードの多くは、欧州のコンソーシアム発の規格となっており、その内容がモジュラー型へ変化してきている。そのためオープンイノベーション型の展開となり、それに応じた対応が必要となってきている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
本年度の課題は、技術の「クローズド化」「オープン化」、新技術、新製品の普及の問題と関連して国際分業の問題を重点に研究をすすめることであったが、それに関連してアーキテクチュアル・イノベーション、自動車企業のグローバル化の現状について成果を公表することができた。
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今後の研究の推進方策 |
今後は技術経営とイノベーションについて、自動車企業の低燃費エンジン開発に焦点をしぼり研究を進める。対象企業は、マツダ、ダイハツでヒアリング、工場調査を行なう。 さらに組み込みソフトの開発プロセス、そこでの標準化の役割、日本企業の取り組みについて研究をすすめる。
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