研究概要 |
本研究の1年目である本年度(平成22年度)は,次のことを行った。 (1) ICT時代の特徴である「コミュニケーション」概念が第2期IT革命の中核(コア)であることを定義付けるための文献研究を行なった。(2)「ICTスタートアップ」と「ボーン・グローバル」の関係について、我が国における著名な先行研究者数名と討議を行なった。(3)ICT時代の市場メカニズムの研究として、「出荷在庫統計」のデータ整理と国際比較の基礎統計を求めた。(4)ICT時代の国際ビジネスについて「マクドナルド指数」と「i-Pod指数」についてデータ分析を行なった。(5)これらの研究成果は下欄に示すように、3つの学会報告を行なった。 研究内容と成果は以下の3点である。(1)iPadの新しい世界一電子書籍をめぐるブルーオーシャン戦略」:これは、コンピュータ企業アップルの2000年以降の変化(iMac, iPod, iPhone, iPad)を扱いながら、「コミュニケーション」をビジネスにしたこと、ブルーオーシャン市場である新しい電子書籍市場に誕生について考察した。(2)「ボーン・グローバル企業の発祥と未来」:何故、ICT時代になってボーン・グローバル企業が増加するのか、ニッチの存在と情報コミュニケーションについて考察した。なお、次年度以降「ICTスタートアップ」企業について、国内型と国際型についての違いは何か、行末については大型化、中小型、買収型、そして消滅の類型の整理が必要という認識に辿り着いた。(3)「一物一価の法則とグローバルIT時代」:国際市場の需給による価格メカニズムについて、「マクドナルド指数」そして「iPod指数」について考察を行なった。 次年度は以上を踏まえて、海外の研究者とも交流しながら、さらに掘り下げる予定である。
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